本来、北陸とは雪国であったはずだ。
なのに、近頃は全然雪が降っていなかったので、あったかい格好をした上で、スニーカーを履いて通勤していた。
「このまま大して雪も降らないままあったかくなって春が来てくれたらいいなぁ ハハ」なんて思っていたが、やはり、甘かった。
そうだよね、この真っ白けが本当の北陸の冬の景色だ。忘れてたよ。
ごついノースフェイスのブーツ(めちゃ暖かい)を履いて駅まで歩く途中、私と同じようにここが北陸だということを忘れかけていたらしいおじいちゃん(頭の上にはささやかな白い髪が乗っている)が家の前を除雪しているのに遭遇した。彼はペラッッッペラの黒のジャージのズボンに、普通の靴という出で立ちで、融雪装置の水でズボンをびしょびしょにしながら雪をどかしていた。(風邪引いちゃうって! )
昨日夕方は湿り気を含んだ雪がじゃんじゃん降ってきて、さしている傘にこぞってへばりついてきたのだが、今朝の雪はまるで小さな子供たちが思い思いの大きさに丸めて投げてきているみたいな、不揃いの玉だ。傘にはくっつかず、ぱらぱらと落ちていく。
私は分厚い雲の向こうで、何人もの小さな小人の子供たちが、せっせと雪玉を作ってこちらに投げ込んでいる姿を想像した。私の想像上の彼らはすごく暖かそうな目の詰まった毛糸の手袋をしていて、とても楽しそうに雪玉を作っていた。雪で遊ぶのが久しぶりで、嬉しいのかもしれない。
電車が予定通りの時刻にホームに滑り込んできたことに安堵し、車両のドアを開けるボタンを押そうとすると、ボタンが凍りついていてびっくりした(幸い押し込めないほど凍ってはいなかった)。
車窓も凍りついている。氷の向こうは真っ白だ。
これからしばらくは大雪予報。無事に帰れますように!
駅に着くと、立て看板があった。ホームページにない情報でも書いてあるんだろうかと寄っていって見ると、「最新の情報はホームページで確認して下さい」と書いてあった。
…。はい、そうしまーす!
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