こんなに楽しいなら、もう来世もバカでいい

日々の気づき

※今回の記事はバカが幸せな気持ちに浮かされながら書いたため(?)、バカ長いです。

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私の超絶ラブな料理店「くりこども飯店」にて、毎月一回開催されるオープンマイクイベント。私はそれに、最近はほとんど毎回参加している。のだが…

本番当日の日曜日になっても、弾き語りでやる曲が一向に決まらなかった。

先月は当日になってレパートリーから季節的におかしくない曲をどうにか2曲だけ捻り出して(ギリギリすぎて練習時間は30分)、本番直前の現地でカホンの女性奏者をナンパし一緒に演奏してもらった。2巡目の出番ではHomeを演奏し(他にやれる曲が思いつかなかった)、たくさんの方に「素敵でした!」と言っていただいた(みんな優しすぎ。ラブ)。

今月も、レパートリーは一切増えていない。そこから演奏曲を捻り出さなければならなくなってしまった。

先月も、今月も、レパートリーが増えていないのには、当然理由がある。ここ数ヶ月の私は、ちょろっと練習したくらいでは到底弾けるようにならない、難しい曲の練習ばかりしていたのである。

難しい曲…そのうち一曲は、タンゴの革命家:アストル・ピアソラの名曲「リベルタンゴ」。

そしてもう一曲は…敬愛する推し兼師匠、ショルヘーノさんのオリジナル曲、「蚕蛾のしらべ」。

この曲、伴奏部分も押さえる場所がコロコロ変わるので歌いながら弾くのが普通に難しいのだが(本番はマイクに向かって歌うので、コードチェンジを見ないでしないといけない)、間奏の部分は右手親指を三味線のバチのように使い弾くフラメンコギターの奏法「プルガール」を駆使して旋律を奏でる。ここが結構早くて、全っっっ然、指が間に合わない😭

(そもそも私のプルガールのやり方が合っているのかも分からない。右手小指をボディにつける奏法をやってこなかった私は、どうしても小指をボディにつけられない。多分小指の問題じゃないだろう、と楽観視しているが、どうなんだろう…??)

本当は、この「蚕蛾のしらべ」こそ、今月私がやりたかった曲だったのだ。でも、大好きなショルヘーノさんの、大切な曲だ。下手なまま妥協して披露したくない。

だがこの曲は本来、今月やることに意味があったはずなのだ。4月のショルヘーノさんのライブや、ギターセミナーの宣伝をしたいと、練習しだした。それを、直前のこの日にやらないでどうする?

私は「でも…」「だって…」とうじうじ悩み、曲も決まらないまま、午後に夕飯の準備をして、のろのろと化粧をした。行く予定の時間になっても、ギターケースをリビングのど真ん中に放り出して、動物園のサルみたいにその辺をウロウロ。

そして、今回は行かなくてもいいんじゃないのか、という思いが胸をよぎる。元々強制でも何でもない。予約もなく、ふらっと参加できるイベントだ。

行くの…やめる?

「今日は行くのやめよっかなぁ。弾く曲が全然決まらないんだよね」

リビングの隅で私の奇行を横目にスマホをいじっている長男に、言うともなく呟く私。すると、

「でも別に自分が演奏しなくても行っていいんでしょ? 聞くために行けばいいんじゃない」

と、長男が。

私は少し驚いた。行くことを推奨されるとは思っていなかったのだ。

「そうだね。…行くわ、演奏はしなくたっていいんだしね」

とにかく行く、と決めてしまうと、私はあっという間にトートバッグを持って玄関に向かった。…でも、すぐに引き返して、一度は置き去りにしたギター(いつもの、黒のエレガット)を「一応」と手に持ち、車に乗った。

運転しながら、私はあの店に、あの場所に、行きたかったんだと気づいた。

あたたかな空間。あたたかな光、あたたかな人々、あたたかな音たち…が、必ず迎えてくれる場所。

ありがとうよ長男、君のおかげで出てくる気になったよ…。

そして、いざ遅れて到着してみれば、私はすっかり「よーし、ギター弾くぞ!歌うぞ!」という気持ちになってしまった。

単純だ。そしてバカである(知ってるけども)。

今回は参加者が少なめで、とってもアットホーム。私も全然気負わずに、あまり難しくない2曲を弾き語りすることができた。(当日午後に15分だけさらった2曲…😅)

私は遅れて来たので、ほどなく2周目が始まる。

この時点で、私はまだ「蚕蛾」をやるかどうか少し迷っていた。下手だしなぁ…でも、やるならこのタイミングしかないし…。

オープンマイクはいつも、店主夫妻のユニット「クリノネ」の演奏から始まる。2周目も同じ順番で演奏するので、2周目の最初も当然クリノネだ。

偶然にも私は真ん前の1番いい場所に陣取っていた。その私に、クリノネのご主人:かずさんがしきりに「緊張する〜…はぁ〜緊張する」と訴えてくる。

クリノネのお2人は、飲食店経営者とは思えないほど本格的なエフェクターボードを備えており、演奏も歌声も美しく雰囲気がある。おバカへっぽこギタリストの私から見ればガチプロアーティストも同然である。

「クリノネほどのお方でも、やっぱり緊張することだってありますよね〜」と、私は軽く受け流したが、その緊張の意味はその後、すぐに明かされることとなる。

客席の照明が暗くなり、拍手が鳴る。クリノネの演奏はいつもとても素敵だ。だから、私は楽しみに待った。

かずさんが言う。「これから演奏する曲は、我々が敬愛する、あるアーティストの曲です。本人から、カバーする許可もいただいています」

ん?

「その代わり、演奏動画を送ってこい、と言われました」

そんな事を言いそうな、クリノネのことが大好きなアーティストを、私は一人、知っている。

そう、とてもよく…知っている。

察した瞬間、私はスマホを構えた。

音が鳴った。

私の知っているイントロ。知っているも何も…何度も何度も何度も何度も何度も、私の右手中指の爪を折ってきた原因は、この曲だ。この曲は「蚕蛾」より更に難しく、フラメンコギターの奏法を駆使しまくって演奏される。ガチ練しては爪が砕け、自分の爪メンテの甘さにブチ切れながら伸びるのを待ち、また調子に乗って演奏してブチ折り、を、いまだ繰り返すに至っている、ショルヘーノさんの名曲ーーー「chakra」。

衝撃だった。その曲は確かにchakraなのに、その時、会場を包んでいた音は、まさにクリノネだった。クリノネの、美しいchakraが、そこにあった。

私が苦労して苦労しても全っ然指が間に合わなかった、(蚕蛾よりかなり速い)リフもサラッと弾いている…!でも嫉妬する気は全くおきない。レベルが違いすぎるし、クリノネの音楽として完成されているし、何より…素敵すぎる。

私は夢中で聞き、演奏後はバカほど拍手した!!

かずさんに「感激しました!演奏、超ーーーーーー素敵でした!」と言うと、「良かったぁ〜!ちいひろさんに〇されるんじゃないかとヒヤヒヤしました!だってこんな真ん前におられるし、緊張しましたー!」と仰るではないか(私がショルヘーノさんの大ファンであることは周知の事実だ笑)。とんでもない!私はクリノネのことだって大好きなのである。

クリノネの奥様:まきさんは「今日、最初ちいひろさん来ておられなかったから、この曲演奏する?!どうする?!って、二人で言っていたんですよー」と。そんな…私なんぞを待ってくださっていたのですか…?!と、感激は倍増🥺✨

「私、今日は、演奏に自信がなくて…来るのどうしようか迷ったんです。でも、来て良かった」まきさんに辛いカレーを注文しながら心情をぽつりと吐露しつつ、私の心は固まった。

下手でもいい。(本当は上手い方がいいけど!)

私は蚕蛾のしらべを、演奏したい。

辛いカレーが思いのほか熱くて、他の出演者の方々の演奏を楽しみながらフーフーしつつ食べていたら、自分の出番直前まで食べている羽目になってしまった😅私は口が旨辛のまま、かずさんに「はぁー緊張する〜超緊張するぅ〜」と言い返し、マイクの前に座った。(実際、滅茶苦茶緊張していた)

「これから演奏させていただくのは…私の大好きな、ショルヘーノさんの曲なんですけど」

おーっ!と歓声が上がる。

ここからのMCは、まきさんが映像を送ってくれたので少しだけ残っているのだが、後で勇気を出して見てみると喋り方がオタクすぎて大変キモかった…😂

演奏はというと、お世辞にもいいとは言い難い出来だった。私は腹をくくり、できないものはできない、口がマイクから外れてもいいからなるべくコードを間違えないぞ!と決意し、間奏は多分ノーミスでは行けないから、もう最初に「間奏部分は弾けなかったら口で言って誤魔化します」と言って弾き始め、残念ながら実際に口で誤魔化す結果となった…😂

演奏が終わった直後、私の口から出たのは「ショルヘーノさん、ごめんなさい!」という心からの叫び😂でも、みんなからは暖かすぎる、熱いといってもいいくらいの拍手が贈られ……その拍手は、私の心の中まで暖かくしてくれた。

クリノネのお二人にも「ちいひろさん!かっこよかったです!」と言っていただき(いやいやいやいや恐れ多い)、あと何より嬉しかったのが、初めてのお客さんに「ショルヘーノさんっていう方を今日初めて知ったんですが、2曲とも素敵でした。ライブはいつなんですか?是非聞いてみたいです」と、言って貰えた事!!!!!

うううううううう嬉しい〜😭✨やった意味があったぁ〜!!

他の出演者の方からも「その日は空いてないけど、ライブ行きたいから間に合うように頑張ってみます!」など、嬉しいお言葉が。

私はもう胸がいっぱいで…元々大好きなくりこども飯店というお店が、更に更に大好きになった。もちろん、ショルヘーノさんの事も。

あの方は、一体どれだけ私を幸せな気持ちにさせれば気が済むのだろう? 影でグレイトエキセントリックアメイジングゴッドオブゴッド・ショルヘーノと呼ぼうかな(多分呼ばない)

嬉しくて、嬉しくて、日曜は家に帰ってからもずっとほわほわしていて、布団に入ってもなかなか眠れなかった…。

そして翌日、⬇これである。

はいー、無事ご本人さまに聞かれてしまいました😂

ちゃんと、まきさんから「ちいひろさんの動画、ショルヘーノさんに送ってもいいですか?」と聞かれて、了承したものの…後から「しくじった、この日前髪くしゃくしゃだったな(誰も気にしねえわ)」とか、「あああヘタああああ」とか、「しかしクリノネの演奏は素晴らしかった。…もう一回聞こ🎶」と、色んな感情が忙しい💦

とにかくショルヘーノさんの「心のポカポカ」の、ほんの少しでも一助になれたのなら、この上ない喜びである。

…実は少し前に結構やばいカスハラに遭い、一時は喋れなくなるほど気落ちしていたのだが、そんなのも全部ぜーんぶ、吹き飛んでいった。

あの時、お店に行くのをやめていたら、この出来事は全部なかったかもしれない。…って思ったらヤバすぎる〜!!自分がクソ単純なバカで、良かった。

「バカは死なんと治りゃしない」って、何かの歌詞にあったけど。

こんなに幸せなら、死んで来世があったとしても、次もまたバカでいい。いや、バカ「が」いいかもなぁ、と思う私(現役バカ)なのであった。

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